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ビルや店舗、工場などでキュービクルの導入を検討する際、「敷地が狭くて設置場所を確保できない」と悩むケースは少なくありません。特に都市部や駅前の商業エリアでは限られた敷地を有効に活用する必要があり、キュービクルのためのスペースを割きにくい状況が多く見られます。
「キュービクルは大型の設備だから、うちの敷地には置けないだろう」と導入を諦めかけている方もいるのではないでしょうか。実は、キュービクルにはサイズの選択肢が複数あり、離隔距離の緩和条件をうまく活用することで省スペースでも設置できる可能性があります。ここからは、設置基準の基本と省スペース化の方法を順に見ていきましょう。
キュービクルの設置には、消防法や高圧受電設備規程(JEAC 8011)などで定められた離隔距離の確保が欠かせません。省スペースでの設置を検討するうえで、まずこの基準を正しく理解しておくことが重要です。
屋内にキュービクルを設置する場合、高圧受電設備規程(JEAC 8011)に基づく離隔距離の確保が求められます。面ごとの基準は以下のとおりです。
このように面ごとに必要な距離が異なります。設置場所の形状にあわせて、すべての基準を満たせるか事前に確認しておくことが大切です。
引用元:日本電気協会技術部|高圧受電設備規程(JEAC 8011)について[※PDF](https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/41/3/41_153/_pdf/-char/en)
屋外設置の場合、非認定のキュービクルでは建物から3m以上の離隔距離を確保しなければなりません。敷地に余裕のない施設にとって、建物からの3mという距離は大きな制約になり得ます。
こうした課題への対策として有効なのが「認定キュービクル」の採用です。消防庁告示第7号に適合した認定キュービクルを選定すれば、建物との離隔距離は1m以上に緩和されます。3mから1mへの短縮は設置に必要なスペースの大幅な削減につながるため、省スペースでの導入を目指す施設にとって検討すべき選択肢といえるでしょう。
参照元:電気設備学会誌|Q100 キュービクルについての建築基準法[※PDF](https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/35/10/35_745/_pdf/-char/en)
離隔距離の基準を踏まえたうえで、限られた敷地にキュービクルを導入するための具体的な方法を紹介します。設備の選定や設置方式を工夫することで、省スペースでの設置を実現できる可能性があります。
キュービクルは基本的にオーダーメイドで製作される設備です。必要な容量や機器構成に合わせてサイズを柔軟に変えられるため、不要な機能を省いて必要最小限の構成にすることでコンパクト化を図れます。
たとえば、奥行約1.1m×幅約1.3m程度の小型キュービクルや、コンビニエンスストア向けに設計された超小型タイプなども製品として展開されています。使用電力量と必要な機器を精査したうえで、敷地条件に合ったサイズで設計を依頼することが省スペース化への第一歩です。容量に対して過大な筐体を選ばないよう、専門業者と相談しながら最適な仕様を決めていくことをおすすめします。
地上にスペースを確保しにくい場合は、柱上設置タイプを選ぶことで地表面を占有せずにキュービクルを導入できます。認定キュービクルの選定と組み合わせれば、離隔距離の短縮(3m→1m)も加わり、設置計画の自由度はさらに広がるでしょう。
省スペース化を実現するには、計画の初期段階から専門業者に相談することが欠かせません。敷地の形状や建物との位置関係を踏まえ、最適な設置方式を検討してもらうことが成功のカギになります。
キュービクルの設置にはスペースや離隔距離の確保が欠かせませんが、コンパクト型製品の選定・認定キュービクルの活用・設置方式の工夫によって省スペースでの導入は十分に実現可能です。「敷地が狭いから無理だ」と諦める前に、まずは専門業者への相談を検討してみてください。敷地条件に合った適切なプランの提案を受けることで、キュービクル導入への具体的な道筋が見えてくるはずです。
※このサイトで取り上げている電気工事会社の中で、公式サイトでキュービクル工事について説明している神奈川の会社(15社)のうち、コスト削減の方法について掲載していた3社を紹介します。
※2021年3月調査時点