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ここでは、落雷のキュービクルへの影響や対策方法、避雷器を設置するポイントなどをご紹介します。
落雷が発生すると、キュービクルが破損したり、被膜が溶けてしまったりするおそれがあります。こうしたトラブルが発生する確率は低いですが、決してゼロではありません。
一般的な静電気は数千ボルト程度ですが、雷は数百万ボルト以上のエネルギーを有しています。そのため設備に与える影響は大きく、キュービクルや受変電設備を破損させることもあります。キュービクルが高圧対応になっていたとしても、一度に数百万ボルトの電流が流れると損傷・焼損することがあるのです。
落雷によって設備トラブルが起きると、停電や思わぬ事故が起こるリスクも高まります。少しでもリスクを抑えるなら、キュービクルの落雷対策は必要不可欠です。避雷器の設置も検討したほうがよいでしょう。
キュービクル用の避雷器は、高圧受変電設備の落雷対策に用いられている機器のことです。以前は保安器やサージプロテクターなどと呼ばれていました。避雷器は主に高圧設備で使われるものを指す一方、低圧設備で使われる同様の機器はSPDと呼ばれています。
避雷器は主に引き込み口に設置されており、雷サージ・開閉サージなどの異常な電圧を検知し、設置方向に電流を流す役割を担っています。これにより、直撃雷・誘導雷ともに設備への影響を抑えることが可能です。また、設備が異常電圧から保護されるため、落雷による事故・トラブルの予防にもつながります。ただし、避雷器はさまざまな種類があるため、設置場所に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
キュービクルに避雷器を導入する場合は接地工事が必要です。高圧避雷器は、電気設備技術基準におけるA種接地工事の対象となります。一方の配電線路については、一定条件を満たせばB種接地工事で問題ありません。
ただし、接地抵抗が高まるにつれて避雷器の保護効果が低下してしまいます。想定通りの保護効果を実現するためには、A種接地工事の基準だけでなく、さらに低い接地抵抗を目指して施工することが求められます。
避雷器を導入する際のコストに注意しておきましょう。導入時にかかるコストは、メーカーや導入規模によって大きく変動します。導入コストを抑えるためには、複数の業者から見積もりを取り、費用を比較したうえで選ぶことが重要です。
避雷器は時間とともに保護効果が低下しますので、定期的な交換も必要になります。ただ、交換のタイミングは環境によって異なります。定期的な点検を実施しつつ、業者にも相談しながら交換時期を見極めることが重要です。
※このサイトで取り上げている電気工事会社の中で、公式サイトでキュービクル工事について説明している神奈川の会社(15社)のうち、コスト削減の方法について掲載していた3社を紹介します。
※2021年3月調査時点