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VCBの短絡・焼損事例です。設置場所は河川沿いで、海岸からも近い場所でした。VCB(高圧真空遮断器)が短絡焼損した事例です。季節は夏で激しい雨が降っており、キュービクルは設置してから15年経過した状況でした。短絡損傷が発生した原因として、VCB上面に堆積した海塩粒子を含んだ塵埃です。雨の湿気で絶縁が低下し、沿面放電が起きたことが考えられています。
漏電遮断器(ELCB)の焼損事例です。キュービクルを設置していたのは工場敷地内でした。工場終業後、唐突に音響と停電が発生。電気工事店が調査したところ、キュービクル内のELCBの焼損が判明したのです。納入当時から17年経過、雨が降っていました。原因として、低圧電路の漏電が発生し、ELCBは漏電トリップを実行。しかしELCB内部機構で固渋があり、ソノレイドの加熱と発火が発生したと判断されたのです。固渋は経年劣化と定期メンテナンス不足が起因と推測されています。
MCBB(配線用遮断器)の損傷事例です。量販店の屋内電気室で発生しました。従業員が出社時、停電が起きていることに気づきました。主開閉器LBSの遮断動作による停電でしたが、主任技術者が調査したところ、MCBBの電源側で激しい焼損の痕跡、母線、分岐用銅バーの溶断と周囲の焼損も見つかりました。
キュービクルは製造から20年経過していたようです。原因として、MCBB電源端子と取り付けアングルでのトラッキングが起きて、低圧地絡から線間短絡が発生し、アークガスが爆発的に発生したことが考えられます。また、トラッキングは堆積した粉塵と埃が結露や湿気を吸い込み、さらに経年の影響も合わせた絶縁劣化が生じたと判断されました。
年次点検後に長い間VCBの投入が行えなかった事例です。小規模工場の、屋外の地上敷地内で発生しました。キュービクルを納入したのはトラブル発生の6年前です。原因は注油がされていないことでした。結果、VCB内部機構部でグリースが劣化していたことが考えられています。
小動物によるトラブル発生事例があります。依頼者は食品製造会社です。停電が起きたことで業者が夜、調査に向かいました。保護装置の動作内容から短絡事故と判断。朝、改めて調査したところ、屋外キュービクル内でヤモリの死骸を発見したのです。充電部にヤモリが接触したことで起きたと判断されました。ルーフファン部の雨水排水用の隙間から侵入したようです。
参照元:九州電気保安協会|隙間や穴からの侵入に注意!小動物による電気事故(https://kouhou-qdh2.jp/blog/146.html)
ここでは、経年劣化でキュービクルをはじめとした機器故障を防ぐにはどうすればいいか、注意したいポイントをご紹介します。
基本は日常の定期的な保守点検です。その上で各機器の構成材の老朽化の交換時期にも留意してください。機器・部品の更新推奨時期を確認し、必要であれば新品と交換しましょう。また、高圧真空遮断器では、メンテナンス不備によるグリースの固化や固渋、それに起因する動作特性劣化、遮断、投入不良が起こることがあります。不具合防止のため、定期的な機器点検、交換と注油が必要です。
小動物や雨水の侵入による事故は、穴や隙間を埋めるのが対策です。サビによる経年劣化で発生した穴は、外部からでも容易に確認できます。ただ、キュービクル内部の穴、たとえば、電線の引き出し口の場合、通電していると確認がむずかしいケースもあるため注意が必要です。
隙間や穴を埋めるための補修工事は、塗装やパテ補修で対応できます。適切な頻度で年次点検をして、穴やサビがないか定期的なチェックを行いましょう。ちょっとした穴でも、放置したことで波及事故に発展した事例もあるため注意が必要です。
※このサイトで取り上げている電気工事会社の中で、公式サイトでキュービクル工事について説明している神奈川の会社(15社)のうち、コスト削減の方法について掲載していた3社を紹介します。
※2021年3月調査時点