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絶縁油は変圧器内部の絶縁と冷却のために欠かせないものですが、劣化すると短絡や温度上昇リスクが出てくるため適切なタイミングで交換しなければいけません。こちらの記事では、絶縁油の概要や劣化のリスク、交換タイミングなどについてまとめました。
絶縁油とは高い絶縁性能と冷却効果を持つ、変圧器に用いられる油のことです。主に機器の絶縁と発生熱の冷却のため変電設備に欠かせない油といえます。絶縁油の引火点は約130℃、発火点は約320℃とガソリンや重油などの可燃性液体と比べて安全性が高い点も特徴です。
鉱油系、合成油、植物油、鉱油と合成油の混合油などの種類があり、いずれも電気を通しません。絶縁油は可燃性の油であることから、容量によって貯蔵や取り扱いが消防法により規定されていますが、変圧器内部の冷却・絶縁が目的である場合は電気設備として扱われます。所轄の消防機関に確認しておくと良いでしょう。
絶縁油は変圧器内部で高電圧部の電気絶縁体として機能するため、短絡や漏電を防ぐことができます。また、絶縁油の冷却効果により絶縁材料の劣化を防ぐことも、長期的な短絡リスク軽減につながります。
絶縁油は熱による酸化や劣化、水分の混入、不純物などにより絶縁性能が低下すれば短絡リスクが高まるため、適切に管理することが求められます。
絶縁油は運転中に内部で発生した熱をオイルが吸収して移動させる、過熱された油が上部から外部へ熱を放出するなど冷却媒体として機能しており、絶縁紙の劣化防止や絶縁性能の維持、長寿命化などの効果が期待できます。
冷却が不十分だと絶縁紙が劣化したり絶縁破壊が起こったり、機器故障に繋がる恐れがあります。冷却機能を維持するために、適切な点検・管理が求められます。
絶縁油は通常負荷運転下では10~15年が寿命となるため、交換のタイミングとなります。絶縁油は透明なものが茶色、黒へと酸化が進んで色が変わり、絶縁値も下がってくるため交換目安としてチェックしておきましょう。
劣化した油を使い続けることは絶縁破壊や機器の故障リスクとなります。また、絶縁油が劣化した状態で使い続けてしまうと発生したスラッジを完全に除去することができず、絶縁油を交換しても寿命が短くなる恐れがあります。交換のタイミングを判断するために、油中ガス分析や絶縁耐力試験によって状態を記録・追跡することを日本のメーカーや電気学会のガイドラインで推奨しています。
参照元:株式会社エレックス極東|変圧器絶縁油交換サービス(https://www.kyokuto.co.jp/insulatOilChange.html)
絶縁油交換の費用は、1,500円/Lが目安となります。ただし、設置状況や仕様によって異なるため、詳しくは問い合わせが必要です。
絶縁油を交換せずにいると、劣化が進んでしまいます。絶縁性能が低下すれば落雷などで異常な電圧がかかったときに部分放電が起こり、絶縁破壊になる恐れがあります。
また、絶縁油が劣化するとスラッジが生成され、これがコイルや鉄心に付着することで冷却効率が低下する恐れがあります。外部に熱が逃がせない状態になるため内部温度が異常に高くなったり絶縁紙を劣化させたりするなどして機器故障リスクを高める要因になってしまいます。冷却効率の低下は、変圧器内部の温度をさらに高め、油の劣化を加速させる悪循環にもつながります。
キュービクルは、設置から20年以上経過している場合は更新を検討する必要があります。また、絶縁油が濁っている、油漏れがある場合、さびや腐食が見られる場合も内部が劣化している恐れがあるため更新するタイミングとなります。
誤作動が増える、点検時に要注意などの指摘を受ける、メーカーの部品供給が終了しているといった場合も、専門業者へ相談して更新を検討するようにしましょう。
参照元:株式会社山電|キュービクル更新のタイミングはいつ?(https://cubicle-yamaden.com/column/category1/entry20.html)
※このサイトで取り上げている電気工事会社の中で、公式サイトでキュービクル工事について説明している神奈川の会社(15社)のうち、コスト削減の方法について掲載していた3社を紹介します。
※2021年3月調査時点