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キュービクルは高圧電気を取り扱うため、万一の設備故障や事故が発生すると火災や爆発、感電、波及事故などの大きな被害を招く可能性があります。
変圧器や遮断器の焼損・ショートは修理費用が数百万円規模になることがあるうえ、事故発生時には事業が停止し売上損失も発生するリスクもあるのです。
保険でセーフティネットを張っておくことは、企業のリスクマネジメントとして重要なことだといえるでしょう。事故時の直接損害のみならず、休業損害や第三者への賠償責任まで包括的に備えることで、事業継続性を確保しやすくなるのです。
キュービクルが建物の一部として評価されている場合や動産として扱われている場合でも、火災保険の設備特約を付帯することでトランスや遮断器を含む電気設備の損害をカバーできます。
ただし、特約をつけずに契約すると地震や津波など自然災害は対象外となるため、用途に応じた特約選定を行いましょう。
機械保険は、工場や商業施設に設置された受変電設備が落雷・過電流・ショート・トランス故障など突発的事故で損害を被った際に修復費用を支払う保険です。
補償範囲には高圧気中負荷開閉器・避雷器・変圧器・低圧開閉器などが含まれます。
動産総合保険は、所有するキュービクルをはじめとする動産設備全般を対象に、工事中や移設中を含む広範な事故リスクを補償します。移動・組み立て段階での事故や第三者損害もカバーできるため、新設時や改修時のリスク管理としても加入するメリットはあります。
火災保険だけだと、経年劣化や故意・重過失に関する損害は補償対象となりません。それらのリスクに対しても備えたい場合は、専用の設備保険や動産保険の併用を行うとよいでしょう。
保険契約時には、キュービクルの定格容量や製造年、設置環境(屋外・屋内、屋上など)を正確に申告することが求められます。これらの情報が誤っていると、事故発生時に補償が制限されたり、最悪の場合は保険金が不支払いとなるリスクがあるため注意しましょう。
電気主任技術者による定期点検や年次保安点検の記録を提出できると、多くの保険会社で保険料の優遇措置が受けられる場合があります。逆に、点検を怠っていた場合には保険金支払いが拒否されるケースもあるため、法令に則った点検を欠かさず行い、証拠となる報告書を保管しておくことが大切です。
キュービクル保険は引受保険会社によって補償範囲や免責額、保険料算定基準が異なるため、最低でも二社以上から見積もりを取得し、補償範囲と保険料のバランスを比較検討しましょう。比較にあたっては、保険金額の設定根拠や特約の内容、事故対応の実績など確認することで、適切なプラン選定が可能になります。
事故発生後は、まず安全確保と通報を優先しつつ、キュービクル周辺の状況写真を撮影します。
写真は事故前後の比較ができるよう、多角的なアングルから撮影するとともに、損傷箇所やメーカー・型式が確認できるショットを撮影するのがポイントその後、速やかに保険会社へ事故報告を行い、担当者の指示に従って調査対応を進めましょう。
報告から請求手続き開始までのタイムラグが長いと、原因の特定や写真・証拠の保存が難しくなるため、早めの連絡が重要となります。
保険金請求には保険金請求書のほか、契約証券、事故発生日・場所・状況を記載した事故報告書、被害設備の写真、修理見積書などを用意しましょう。
火災保険の場合、事故発生日から原則として三年以内に請求しなければならないと保険法で定められています。請求書類提出後の調査・査定期間は事故内容によって異なりますが、概ね三週間から一カ月程度を要するケースが多い傾向にあります。
早期の請求準備と保険会社との密な連絡が支払いをスムーズに進めるポイントです。
参照元:日本損害保険協会|共通 - Ⅴ.保険金の請求について(https://soudanguide.sonpo.or.jp/basic/5_1_q3.html)
※このサイトで取り上げている電気工事会社の中で、公式サイトでキュービクル工事について説明している神奈川の会社(15社)のうち、コスト削減の方法について掲載していた3社を紹介します。
※2021年3月調査時点