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RPRは、「逆電力継続機」や「逆電力継電器」などを称される装置です。発電した電力を電力会社に売らず、全て自家消費する太陽光発電システムに用いられます。
電気の流れを監視するのはもちろん、契約範囲外の方向へ電力が流れそうになると太陽光発電の運転を停止させる役割を果たすのが特徴。設備の規模に関わらず、売電をしない自家消費型の太陽光発電には設置が必要です。
また、RPRは逆潮流を防ぐ役割も担っている機器でもあります。
逆潮流とは、太陽光発電で作られた電気が消費されずに、電力会社の系統へ流れてしまう現象です。逆潮流が発生すると、設備の故障・電圧の乱れ・系統全体の不安定化などのリスクが高まります。特に複数の発電設備が接続されている場合に発生する「バンク逆潮流」は、電力の流れが複雑になり、より重大なトラブルを引き起こす可能性もあります。
RPRを設置すれば、こうした逆潮流を早期に検知して太陽光発電を停止させるため、設備の安全性につながるのです。
太陽光発電を導入している施設であれば、RPRは導入したい設備といえます。なぜなら、発電した電気が電力系統に逆流する「逆潮流」を防ぐために、RPRが重要な役割を果たすからです。キュービクル(高圧受電設備)内にRPRを設置すれば、万が一の逆潮流発生時に対策できるようになります。
一方で、太陽光発電を行っていない施設には基本的にRPRの設置は不要でしょう。つまり、RPRの必要性は太陽光発電の有無によって大きく左右されます。特に自家消費型の太陽光発電システムを導入している場合、RPRは法律や安全面から見ても設置が推奨される機器となっています。導入の有無は太陽光発電システムの有無と密接に関係しているため、法令や安全基準に沿った判断が重要です。
既に大型の施設を保有している法人が太陽光発電を導入する場合、既存のキュービクルにRPRを設置するには、改修や機能の追加が必要となります。そのため、太陽光発電システムの費用に加えて、キュービクルの改修費用もあらかじめ見込んでおかなければなりません。
改修にあたっては、太陽光設備・RPR・遮断機などを追加できるスペースの有無、排熱・配線などの安全対策が施せるかを確認する必要があります。また、改修時には半日〜1日程度の停電が発生することもあるため、事前の調整が欠かせません。
自家消費型の太陽光発電システムでは、発電した電力をできるだけ無駄なく使うことが求められます。しかし、電力の使用量が発電量を下回ると、系統側へ電力が逆流する「逆潮流」が発生し、RPRによってシステムが強制停止してしまう場合があります。
RPRの作動中は発電ができず、せっかく太陽光発電設備を導入しても電力を活用できないという非効率な状況に陥ってしまいます。特に、こうした強制停止が頻発すると、日中の電力消費が想定より不足し、生活に支障をきたす恐れもあるでしょう。
このような問題を防ぎ、効率よく発電・消費を行うには、発電出力の制御装置の導入が有効です。制御装置は電力の需要と供給のバランスをリアルタイムで監視し、発電量が使用量を上回る前に出力を自動で制御します。
具体的に、負荷追従制御機能では電力使用傾向をもとに、消費電力の最大値に近い発電量を維持できるよう調整可能です。これにより、電力の無駄を抑えつつ逆潮流の発生も防止できるだけでなく、効率的に発電を行えるようになります。
※このサイトで取り上げている電気工事会社の中で、公式サイトでキュービクル工事について説明している神奈川の会社(15社)のうち、コスト削減の方法について掲載していた3社を紹介します。
※2021年3月調査時点